読書感想文はなぜ書けない?

――これまで多くの子どもたちの読書感想文を指導されてきた篠原さんですが、彼らが読書感想文に苦しむ理由はどこにあると思われますか?

一人一人にそれぞれ理由はありますが、「本選び」と「親の存在」、この二つが大きいですね。

まず本選びの点からですが、読書が苦手な子は、「ラクをしよう」と思うあまり、自分の学年より下を対象にした本や、物語ではない図鑑などを選びがちです。異世界ファンタジーなどの壮大な物語やSF作品なども、選んでから苦労するパターンが多いです。

これらに共通するのは「本人との共通点を見出しにくい」ということ。本の登場人物と今の自分を比較したときに、何が共通していて何が異なるのか、そういった視点を持てる本を選ぶことをすすめています。

――自分と照らし合わせてどうかが大事なのですね。

それがないと、ただただあらすじを追うだけの文章になってしまうケースが多く、感想文にはならなくなってしまいます。逆に、異世界ファンタジーでも自分との共通点を挙げられればそれでもよいでしょう。

読書感想文を書く本は、好きか嫌いだけではなく、自分と比べてどうかという視点で読めるものを選ぶことが重要です。

「本選び」と「親の干渉」が罠。読書感想文がみるみるうまくなる話題のメソッド_1