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教養・カルチャー 2022.07.19

『ストレス脳』のハンセン氏が語る「うつも不安も生き延びるために必要なこと」

「オリコン年間“本”ランキング 2021 BOOKランキング」で第1位となった『スマホ脳』の著者、アンデシュ・ハンセン氏が、新刊『ストレス脳』を刊行。「技術が進歩するなかで、脳や身体はなにも変わらない。脳や身体の変わらない働きを理解することが、不安やうつの対処には大事」というハンセン氏のインタビューをお届けする。

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進歩した社会と、進化しない脳・身体

新刊『ストレス脳』(久山葉子訳、新潮新書)は、ハンセン氏のいるスウェーデンで2021年11月、原題『Depphjärnan』(うつ状態にある脳)として刊行された著書の翻訳版。執筆のモチベーションとして、<こんなに快適に暮らせるようになったのに、私たちはなぜ気分が落ち込むのか>という精神科医になってからずっと抱いてきた疑問があったという。

スウェーデンでの刊行後は、読者たちに<自分を病気だとか壊れているというふうには思わなくなった>と感謝されていると、日本の読者への序文で述べている。

本全体は、人類史における今の私たちの位置づけや、進化から見た感情の役割といった根本的な説明から始まり、不安、うつ、孤独といったものに対する見解、運動の勧め、そして現代社会への課題提示といった内容になっている。

スウェーデンで現役の精神科医として勤務するハンセン先生

知るだけでなく理解することで、自分や他人にも優しくなれる

ハンセン氏は、自身の考え方の基本をこう話す。

「人間は、健康でいるために歩んできたのでなく、生き延びることと子孫を残すことのために歩んできたのです。サバンナ時代からすると、人間の生活ぶりは変わり果てましたが、脳や身体の働き方はそのままです」

脳や身体は、いまのスピーディーな社会の進歩とちがって、ほぼ進化していないから、サバンナ時代モードのまま現代社会に対処しているということになる。

「サバンナ時代、人間には常に飢餓の危険があったため、高カロリーの食べものを見つけたらすぐに食べてしまいました。だから現代でも、お店で高カロリーの食べものを見ると、脳が『生きるために食べろ』というわけです」

この進歩した社会と、進化しない脳・身体のギャップが、結果的に現代ではさまざまな心の変調や病気として認識されてしまう。いまを生きる私たちにとって、脳や身体がサバンナ時代モードのままだというのは厄介な話だが、「不安やうつなどが脳の反応として正常なものであることを、知るだけでなく、理解することで、自分や他人にもっと優しくなれるようになると思います」

不安、うつ、孤独……脳にとっての意味を理解する

たとえば、不安も、生き延びることを使命としている脳の働きからすると、起きて当然の感情なのだそうだ。

「不安は未来における危険に、脳と身体が反応して起きるものです。常に脳は感染しないか、殺されないか、事故に遭わないかと、昔からあった大惨事に備えているのです。それが生き延びることになるから。こうして理解すると、不安が起きるのはまったく不思議なことでなく、弱さの現れでもないとわかります」

おなじようにうつも、脳や身体の働き方から理解すると、生き延びるためのまっとうな反応であると捉えることができるそうだ。『ストレス脳』では、感染症から身をまもる広い意味での免疫反応の現れが、うつであるという最近の学説を紹介している。

では、孤独はどうか。

ハンセン氏は、「孤独を長期にわたり感じていると、ただつまらないだけでなく、健康に影響をあたえることがわかっています。心疾患やある種のがんは孤独のせいで増えるとする研究者や、1日15本たばこを吸うくらい健康に悪いとする研究者もいます」と話す。

なぜそこまで孤独は健康に悪いのか。これも脳と身体の働き方から理解できるという。

「サバンナ時代、人間には一人では生き延びることができなかったという現実があります。そこでのけ者にされることは死を意味していました。だから、脳は孤独をだれも助けてくれない状態と受けとるので、ストレスの活動がオンになるわけです」

ハンセン氏によると、毎週10分だれかと電話するだけでも孤独の感情が減ったという研究結果もあるという。また、『ストレス脳』では、対面で会って、お互いに触れ、肉体の存在を感じることの大切さを述べているが、こう補足もしている。

「自分たちにだれかとつながりがあると感じられるかが大事です。そのシグナルを受けることで、ストレスが下がり危険がさほどないと解釈することになります」

エクササイズ・アズ・ナンバーワン

理解することの効果とともに、運動することの効果も見逃せないとハンセン氏は強調する。これは著書『最強脳』でも書かれていたハンセン氏の一貫とした考えである。規則正しい生活や日光浴なども心の健康によいとされている。

「(心の健康によいことで)ひとつだけ選べというなら運動です。運動は、みなさんが思うよりもはるかに重要です。重度のうつになると運動さえできなくなるので、予防として考えることが第一です」

運動する習慣がない人は、始めるのが億劫かもしれないが、「週に1時間、速めに歩いただけでもうつのリスクが下がることが研究でわかっています」という。英国の3万4000人を11年間追った調査では、週1時間の運動でうつの12%が予防できたという。

運動をしている人には、運動中や運動後しばらく、思考が冴えるという実感や経験があるかもしれない。生き延びることを使命としてきた脳や身体の見方からも運動の効果は説明できる。

<人類の歴史上のほとんどの期間、思考能力を最も必要としたのは運動をしている時だった>

つまり、狩りの最中は、集中力や問題解決力を研ぎ澄ませる必要があった。運動と思考は切っても切れない関係にあったのだ。だから運動をすると思考力が高まる。これもまたサバンナ時代の名残といえる。

技術の進歩に脳も身体も追いついていない

<こんなに快適に暮らせるようになったのに、私たちはなぜ気分が落ち込むのか>

という疑問がハンセン氏の『ストレス脳』の執筆のモチベーションだったという。快適な暮らしは、日本人をはじめ世界の人びとの健康寿命も伸ばしている。かたやストレスやうつを訴える人は増えている。この状況をどう捉えたらよいのか。

「私たちは、あらゆる技術を使って、人間にとって大事なことを人生から締めだしてしまったのではないでしょうか。直接、会わなくても済むようになって孤独になってしまったり、ドアが勝手に開いてくれる生活様式をつくって運動しなくなったりといったことです」

寿命が伸び、かつストレスやうつが増えているとしたら、理屈的には、心の状態がよくないまま長く生かされつづけてしまっている現代人像が浮かんでくる。

私たちはどういう状況にいられたらよいのだろう。

仮にサバンナ時代に戻れるとしたら、現代のストレスから解放されるから、それが理想的なのだろうか。

「いいえ。サバンナ時代に戻るべきではありません。祖先の人生はとても辛いものでした。生まれてすぐの子がたくさん死に、平均寿命もせいぜい40歳でした。そういう状況には戻りたくないでしょう。技術は進歩し、ものすごい速さで変わる社会のなかで、私たちは生きています。けれども、私たちの脳や身体はなにも変わっていない。この矛盾を考えつづけることが大事なのです」

#2 「スマホ脳」の著者が断言する「幸せはゴールではない」

取材・文/漆原次郎 通訳/久山葉子

『ストレス脳』(新潮社)

アンデシュ・ハンセン(久山葉子・訳)

2022年7月19日

1100円(税込)

新書‏  256ページ

ISBN:

978-4-10-610959-1

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アンデシュ・ハンセン

あんでしゅ・はんせん

精神科医

(Anders Hansen) 精神科医。ノーベル賞選定で知られる名門カロリンスカ医科大学を卒業、ストックホルム商科大学にて経営学修士(MBA)を取得。現在は王家が名誉院長を務めるストックホルムのソフィアヘメット病院に勤務しながら執筆活動を行う傍ら、有名テレビ番組でナビゲーターを務めるなど積極的にメディア活動も続ける。『一流の頭脳』が人口1000万人のスウェーデンで60万部が売れ、その後『スマホ脳』『最強脳』が世界的ベストセラーに。

    漆原次郎

    うるしはら じろう

    1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。著書に『工学部』(ぺりかん社)、編集書に『STEAMで深まる鉄道模型』(カトー)など。

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