テイクアウトで1日1000個も売る人気店

お店で注文して待つこと数分、目の前にテイクアウト用のカップに入った「揚げシウマイ」と「蒸しシウマイ」の2種類が供された。

「味はついています。最初はそのままお召し上がり下さい」

と、店長の佐藤早苗さんが笑顔で勧めてくれる。

「揚げ」の方は外がカリッとして中がジューシーな仕上がり。「蒸し」はもっちりした食感が楽しい。どちらも肉のうま味はもちろん、タマネギの甘みが舌の上に残る。

「国産豚の赤身肉を使っていて、とてもヘルシーですよ」(佐藤店長)

ここは栃木県鹿沼市、JR日光線の鹿沼駅のロータリー内にあるシウマイのお店「笑福(えふ)シウマイ」だ。オープンしたのは2020年11月、店名は「食べた人が笑顔になって福が訪れますように」という願いを込めて付けられた。その甲斐あってか、1日1000個も売り上げる日もがあるという、人気店だ。

栃木は餃子だけじゃない! 町おこしに賭けるシウマイの味_1
鹿沼駅ロータリー内に店を構える「笑福シウマイ」。テイクアウトのみ。営業時間は午前11時から午後3時まで(月曜定休日)

「学校帰りの中高生とか、よく買っていってくれます。冷凍シウマイのまとめ買いをされていく方も多いです」(佐藤店長)

シウマイは1個40グラムと、なかなか食べごたえがある。学校帰りに空かせた青春の腹を満たすにはぴったりなのだろう。

栃木は餃子だけじゃない! 町おこしに賭けるシウマイの味_2
笑福シウマイの「揚げシウマイ」(左、税込450円)と蒸しシウマイ(同375円)。餡にしっかり味が付いているが、お好みで醤油やカラシも出してくれる

崎陽軒初代社長の地元が縁に

鹿沼市が町おこしの起爆剤としてシウマイをアピールし始めたのは、今から2年前のこと。きっかけは「シウマイ弁当」などでお馴染みの崎陽軒(きようけん、神奈川県横浜市)の初代社長・野並茂吉氏が同市の出身だったこと。

ちなみに、「シウマイ」という呼称は、崎陽軒のそれに倣っている。