交際から性交の方法までしっかり学習させるフィンランド

現在の日本の学習指導要領では、小学5年生の理科の「動物の誕生」という項目で、「人の受精に至る過程は取り扱わないものとする」ということがはっきりと明記されている。

これは「はどめ規定」というものであり、「子どもの発達段階に応じた指導をするため」に設けられたものだ。

そのため理科の教科書では、女性の卵子と男性の精子が唐突に女性の体内で出会い、受精し、母体で育つことになっている。

中学校以降でも同じような規定がある。しかし、その後の避妊や性感染症などの正しい知識を教える場面では、この規定が大きな障害となっている。

一方、性教育先進国であるフィンランドの中学校では、なんとカップルの交際から性交までをしっかりと学習できるカリキュラムとなっている。

その内容は深く、性交をする前にお互いが性的同意を確認することから、実際にどのようにして性交を行うのかというところにまで迫っている。

大学生の性交経験率は男子47%、女子36%。”後進国”日本の残念な性教育_1

フィンランドでは、交際してセックスをすることには責任が伴うことを生物学の中で教えていることにも注目したい。

生き物としての体の仕組みを知ると同時に、人間として理性的に行動することを教えることは、日本の性教育と比較すると、より自然な流れのように感じるのではないだろうか。