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10年ぶりのメディア出演

――(吉田豪)ようやくFKDさんに会えました! FKDさんのことを簡単に説明すると、初期のももいろクローバーが活動していく上で重要な役割を果たしたスタッフで、でもブレイク直前にももクロを離れたからその存在が掘り下げられることがない、その後もいろんなアイドルに関わったりしてきたはずなのにインタビューもほとんど受けたこともない幻の存在です。

FKD 何年もその名前を伏せて仕事してたんで(笑)。名前を出すとマイナスなこともあるし、いまのももクロ担当者に悪いなっていうのもあって、できるだけ出さないようにしてたんですけど。

「ももクロは青春だった」10年ぶりのメディア登場!知られざるももクロ仕掛け人”FKD”こと福田幹大が語る、黎明期のももいろクローバー聞き手:吉田豪_1
福田幹大

――ちょっと黒歴史みたいな感じになってるじゃないですか。あまり積極的にはみなさん名前を出したがらないというか……。

出したがらないけれども、ときどき良くも悪くも出していただいて。

――それはボクが各所でFKDさんの話題をよく振るからですね(笑)。

何年か前に吉田さんが川上(アキラ、ももいろクローバーZマネージャー)さんと話されてたとき(2019年3月26日放送、猫舌SHOWROOM『豪の部屋』)にもやたらと触れていただいて。それもあって吉田さんと一度お話をしたいなと思っていたところで、ちょうど取材を受けられるタイミングになりまして。

――後で触れますけど、こういう経験がちゃんとプラスになる仕事をやってるんですね。

もちろん音楽はずっとやってるんですけど、このタイミングだったら、というのがあったので。表に出て話をするのは10年振りですね。 

――インタビューは『グループアイドル進化論』(2011年)以来ですかね。

そうです、あれ以来ですね。あそこから10年ぐらい経って……時間が経ったなっていう感じがしますよね。

スターダストプロモーションとの出会い

――もともとFKDさんとアイドル文化との接点は、秋葉原でフリーペーパーを作っていたことから始まるんですよね。

そうですね。まだぜんぜん売れる前のAKB48とか取材してたんですよ。戸賀崎(智信、当時AKB48劇場支配人)さんにインタビューしたこともあります。実はアイドルには1ミリも興味なかったんですけど、ちょっとずつ詳しくなって。僕もともとアニヲタで、同時に僕、小室哲哉オタクなんですよ。

――あ、それで小室哲哉さんがメイドカフェに降臨する企画を立てたんですね。

そうです。たまたま知り合ったスターダストの人に「TKを秋葉原で売りたいからちょっと手伝って」って言われて。そこから「アイドル詳しそうだからおまえなんかやれば?」と言われて、ヌルヌルッて入った感じですね。