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教養・カルチャー 2023.08.21

親が「勉強しなさい」と言わないのに子どもの成績がよくなる理由…「学力は遺伝に勝てるのか」親の努力の厳しい現実

遺伝子は自らを生き永らえさせようと、環境に適応するような仕組みを作り、環境の変化に対して柔軟に反応をするという。子育ても子どもからみれば、環境の一つであり、それに応じて遺伝子が表現しているらしいのだが、いったいどういうことなのか。親の子育て環境に子どもの遺伝子がどう反応しているかを解き明かす『教育は遺伝に勝てるか?』(朝日新書)より、一部抜粋・再構成してお届けする。

  • 安藤寿康
  • #教育
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『教育は遺伝に勝てるか?』#1

#2
#3

遺伝と環境を分けて考える

子育ての仕方が学業成績とどの程度関係しているかについては教育心理学や発達心理学、最近では教育社会学や教育経済学の研究者たちが、さまざまな成果を出してきています。

たとえば親が子どもの自律性を尊重すること、しつけに厳しすぎないこと、読み聞かせをしてあげることなどが、子どもの学業成績と関係あるという結果が報告されています。

ただこうした研究はえてして親が原因なのか子どもが原因なのかの区別をしにくいという問題があります。親が子どもの自律性を尊重して子ども扱いせず一人前の人間として育てようとしているから子どもの成績がいいのか、子どもの成績がいいから自ずと親も子どもの自律性を尊重できるのかわかりません。

さらにこれらの研究が扱っていないのが、まさに「遺伝」です。ひょっとしたら、親の知的で本好きな傾向が子どもに遺伝的に伝わったから、子どもの成績も伸びたのかもしれません。 

親が「勉強しなさい」と言わないのに子どもの成績がよくなる理由…親の努力の厳しい現実「学力は遺伝に勝てるのか」_1

行動遺伝学はこうした問題に、遺伝と環境の影響を分けて因果関係を示すことができます。

まず前章でご説明したように、パーソナリティや発達障害・精神病理にはほとんどかかわっていない共有環境が、知能や学業成績には無視できないほどかかわっていたことを思い出してください。これはとりもなおさず、同じ家庭で育ったきょうだいが、遺伝要因の個人差とは別に、環境の違いからくる影響を受けて、互いに似ているということです。そしてこれがだいたい学力の場合は30%くらいかかわっています。遺伝の50%には及びませんが、それでもかなりの効果量を持っているといえるでしょう。

特に学力の場合は、学校で習う勉強をする環境が家庭で与えられているかどうかが成績を左右します。当たり前のことですが、いくら算数や理科の成績に遺伝の影響が50%もあるからといって、生まれつき掛け算九九やつるかめ算や連立方程式を解けるわけはありませんし、ましてや遺伝子の中にリトマス試験紙が酸性だと赤くなるといった知識が書き込まれているはずはありません。

ヒトはそれらを学ぶ環境に置かれたときに、脳の中にそれを理解し問題を解くための何らかの変化を起こします。それを起こしやすい神経ネットワークや神経伝達物質の分泌を、その子どもがもともとどの程度、遺伝的に持ちあわせていたかの違いが、遺伝の影響として算出されるわけです。その前提として、そもそも「それらを学ぶ環境」がどのように、どの程度あったかも影響するのは言うまでもないことです。

それでは親が家でいつも子どもに勉強しなさいと言い続ければ、子どもの成績はそれなりに上がるのでしょうか。あるいは世界文学全集や問題集をたくさん買って、子ども部屋に置いておいてあげればよいのでしょうか。 

親の育て方が子どもの学力にどう影響するのか

私たちの研究では、学齢期のふたごの子どもとその親を対象に、家庭での環境、子ども自身の勉強へのとり組み方、そして学業成績との関係を調べました。双生児法による行動遺伝学的分析手法が他の分析手法と違って優れているのは、遺伝の影響と環境の影響を区別して因果関係を明らかにすることができるということです。

一卵性双生児と二卵性双生児の類似性を比較することにより、ある形質に影響を及ぼす遺伝と環境の程度を推定することができます。

「一卵性が二卵性よりもよく似ていれば、それには遺伝の影響がかかわっていると判断でき、さらに一卵性の類似性が二卵性を上回る程度が大きければ大きいほど、遺伝の影響が大きいと判断できる。逆に一卵性双生児も二卵性双生児もどちらも似ていたとしたら、それは遺伝によるのではなく、二人が経験を共有することのできる共有環境がかかわっていたと推察できる。さらに遺伝要因も共有環境要因も等しい一卵性ですら似ていないとしたら、その分は一人ひとりに固有に効いている非共有環境の影響である」というものです。

これは身長や体重、知能や学業成績、外向性や神経質さなども、ある一つの形質として考えたものでした。

親が「勉強しなさい」と言わないのに子どもの成績がよくなる理由…親の努力の厳しい現実「学力は遺伝に勝てるのか」_2

この考え方は、因果関係について考えたい二つの形質にあてはめることができます。たとえば親が子どもに本の読み聞かせをすることと学業成績との関係について考えてみましょう。

これは子どもにより多くの読み聞かせをすることが原因となって、それによって学業成績が良くなるという結果をもたらすと考えられがちです。

もしそうなら一卵性双生児のきょうだいでも二卵性双生児のきょうだいでも、同じように親が読み聞かせをするほど成績が良くなるという関係が見られるはず。

つまりふたごの一方にたくさん読み聞かせをしていれば、一卵性であろうと二卵性であろうと、もう一方の子どもにも同じようにたくさん読み聞かせをしており、その結果、卵性にかかわらず子どもの成績は良くなっているはずです。これならば「共有環境」が原因です。

そしてふたごの一方への読み聞かせの程度と、そのふたごのもう一方の学業成績とが、一卵性でも二卵性でも同じように高く相関するはずです。

しかしもしこれが遺伝が原因だったらどうなるでしょう。

つまり子どもが遺伝的に学業成績が良いほど、親も子どもによりたくさん読み聞かせをしたとしたら、一卵性のきょうだい間ではこの因果関係が同じ程度に現れますので、一方への読み聞かせの程度ときょうだいのもう一方の学業成績の相関が高くなりますが、二卵性だときょうだいで遺伝的に違いますので子の相関は低くなります。

この考え方に基づいて統計的な解析をすることで、読み聞かせと学業成績との因果関係が遺伝と共有環境、そしてさらには非共有環境によってどの程度を説明できるのかを推定できるのです。 

親自身の積極的な“読み聞かせ”は4%近く、学力を上げる可能性がある

ここでご紹介する調査は、科学技術振興機構(JST)の資金で首都圏に住む双生児家庭を対象に行ったかなり大規模なもので、小学校低学年だけでも784組もの双生児家庭が参加してくださいました。この小学校低学年の結果が興味深いので詳しくご紹介しましょう。

子どもの学業成績は、算数と国語についてどの程度の成績を取っているかを4段階で答えてもらっています。小学校低学年の子どもはまだ自分でアンケートに答えるのは難しいので、調査はすべて親のアンケート報告、つまり親による主観的な意識評定によって行われています。

しかも学校による評価の違いは反映されていませんから、本当の学力かどうかは確かではありません。しかしそれでも次のような興味深い結果が浮かび上がってきました。

子どもの学力評定に統計的に有意にかかわっていることがわかったのは、次の四つの項目でした。

①読み聞かせをしたり読書の機会を与えてあげること 
②親が子どもに「勉強しなさい」と言わないこと 
③子どもをたたいたりつねったりけったりしないこと 
④子どもを自分の言いつけ通りに従わせること 


このうち一番子どもの学力に影響を及ぼしていたのは読み聞かせや読書の機会(①)で、その個人差だけで子どもの学力のばらつきの5.1%を説明します。ところがその内訳を遺伝と環境に分けて見てみると、さらに細かいレベルで興味深いことがわかります[図3−1]。

親が「勉強しなさい」と言わないのに子どもの成績がよくなる理由…親の努力の厳しい現実「学力は遺伝に勝てるのか」_3

図3−1 読み聞かせ・読書機会と学力評定(成績)に及ぼす遺伝と環境の影響。『教育は遺伝に勝てるか?』より

親が子どもに読み聞かせしようと思っても、子どもがそれを聞こうとしなければ成り立ちません。

一方、子どもがいくら読み聞かせをしてほしいと思っても、親の方にその気がなければやはり成り立ちません。さらにふたごのきょうだいは、一卵性であっても個性があり、いつも一緒に同じだけ読み聞かせをしているとは限りませんから、どちらか一方によりたくさん読み聞かせをしている場合もあるでしょう。

子どもが本の読み聞かせを聞こうとする傾向は遺伝の影響として、親から読み聞かせをする傾向は共有環境の影響として、これらの影響力を、行動遺伝学の分析は統計的な手法によって算出することができるのです。

そしてその結果、子どもが親から読み聞かせをしてもらいたいと思う遺伝的傾向の影響力が0.9%、親が子どもたちに読み聞かせをするという環境的働きかけの影響力が3.9%、そして特に一人ひとりに個別に読み聞かせをする環境的働きかけの影響力が0.3%強あることが示されました。

これは子どもの読み聞かせに対する遺伝的素質いかんにかかわらず、親自身の積極的働きかけによって4%近く、学力を上げる可能性があることを意味します。これはかなり大きな効果があるといえます。 

子どもの能力と親の働きかけの駆け引き

このデータでは、親が子どもに「勉強しなさい」と言わない方が成績が良いことも示されました(②)[図3−2]。これは因果関係が逆でしょう。

つまり親が「勉強しなさい」と言うのを我慢する方が子どもの成績が上がるという意味ではなく、子どもの成績がそもそも良いので、親はわざわざ「勉強しなさい」と言わずにすんでいると思われます。ですので、上記と同じように親の声がけと子どもの学業成績との関係を遺伝と環境に分けて見ると、遺伝的には「勉強しなさい」と言われない傾向の子ほど勉強ができるという関係が10.3%を説明します。

親が「勉強しなさい」と言わないのに子どもの成績がよくなる理由…親の努力の厳しい現実「学力は遺伝に勝てるのか」_4

図3−2 「勉強しなさい」の声がけと学力評定(成績)に及ぼす遺伝と環境の影響。『教育は遺伝に勝てるか?』より

しかし興味深いのは環境では逆に「勉強しなさい」と言った方が共有環境として6.5%、非共有環境としてさらに1.4%を説明することがわかりました。

これはいったいどういうことかというと、まず全体的に見れば、遺伝的に成績のいい子の方が勉強をしなさいと言われない傾向にある、しかし成績に関して遺伝的に同程度であれば、その中では勉強しなさいと諭されたほうが成績が良くなるというわけです。子どもの能力と親の働きかけの駆け引きが垣間見られる結果だといえるのではないでしょうか。

これと同じ傾向が、③子どもをたたいたりつねったりけったりするという虐待行為についても見られました[図3−3]。

親が「勉強しなさい」と言わないのに子どもの成績がよくなる理由…親の努力の厳しい現実「学力は遺伝に勝てるのか」_5

図3−3 たたくなどの親の行為と学力評定(成績)に及ぼす遺伝と環境の影響。『教育は遺伝に勝てるか?』より

全体的には成績のいい子ほどたたかれたりつねったりけったりはされないという傾向で9.4%説明されますが、子どもの聞き分けのなさが遺伝的に同じ程度だと、このような「しつけ」をされる子の方が、非共有環境としてわずか0.5%ですが成績を高めています。

ただし、「しつけ」と称して行う暴力行為は決して許されるものではないことを、ここでお断りしておきます。 

親が子どもに言うことをきかせようとする傾向と学業成績との関係(④)については、全体として0.8%とごくわずかな効果量しかありませんでしたが、ここには遺伝の影響は全くかかわっていないことがわかりました[図3−4]。

親が「勉強しなさい」と言わないのに子どもの成績がよくなる理由…親の努力の厳しい現実「学力は遺伝に勝てるのか」_6

図3−4 親の言いつけに従わせることと学力評定(成績)に及ぼす遺伝と環境の影響。『教育は遺伝に勝てるか?』より

親の言いつけに従わせる傾向自体は35.6%ほどの遺伝の影響がある、つまり子どもの遺伝的な傾向が親の言うことをきくかどうかに影響を受けるのは確かなのですが、それと学業成績とは関係なく、親が子どもに言うことをきかせようとするほど子どもの学業成績がよいという共有環境の影響が0.2%、また一卵性であっても一人ひとりに固有に言うことをきかせようとするかどうかの違いで0.3%が説明されました。

「親の努力」の厳しい現実

この研究について注意していただきたいことが二つあります。子どもの学力については、家庭の社会経済的状況が影響を大きく及ぼしていることが、近年の社会学的調査で明らかにされています。

家庭の社会経済的状況には親の収入や学歴がかかわっており、それ自体に遺伝の影響があって子どもになんらかの影響を及ぼすことがあるかもしれません。たとえば本を買ってあげられる収入や親の学歴に親自身が受けついだ遺伝の影響もあるかもしれず、それが子どもに伝わっているとしたら、純粋に読み聞かせの影響を図ったことにはならないのではないかという疑問が発せられても無理はありません。

親が「勉強しなさい」と言わないのに子どもの成績がよくなる理由…親の努力の厳しい現実「学力は遺伝に勝てるのか」_7

実際、子どもの成績に親の収入や学歴が3.8%ほどかかわっていることが示されています。しかし前ページまででご紹介してきた研究の分析では、あらかじめ親の収入や学歴の効果を統計的に除去して行っています。

またこれはあくまでこの調査に用いられたサンプル(協力してくださった方々から得られたデータ)から算出された推定量に基づく結果ですので、ここで示した何%という数字がどんな人たちにもあてはまる定数のようなものではないということも心に留めておいてください。あくまでも親の与える家庭環境と子どもの学力との関係は、遺伝要因も絡めるとこんなに複雑であるということをわかっていただくためのものです。

この調査で扱ったほかの学年についても、結果はおおむね同じ傾向が見られました。すなわち子どもに読み聞かせや音楽を聞かせるなど文化的環境を与えること、そして子どもを支配しようとする暴力や恐怖ではない形でマナーや生活習慣をきちんと守った秩序ある日常生活を送らせようとすることは、子ども自身の遺伝的素質いかんにかかわらず、学力に一定の影響を及ぼします。

その影響力は、遺伝が50%に対してせいぜい5%程度と決して大きくはなく、親の努力が子どもの遺伝を乗り越えるほど影響しないことは、厳しい現実として受け止めねばなりません。しかし子どもの遺伝に加えて、親の働きかけがこれだけの影響力をもちうるという研究結果は、学業成績にかかわらず、重要な意味があります。

文/安藤寿康

#2『子供の学力に親の収入や社会階層がもたらす影響…多動・不注意傾向の子供に親が厳しくあたると「問題行動を引き起こしやすくなる」』はこちらから

#3『非行に走る子どもは遺伝のせいなのか、環境のせいなのか…15歳を境にくっきり分かれる「子どもが悪になる」要因』はこちらから

『教育は遺伝に勝てるか?』 (朝日新書)

安藤 寿康 

親が「勉強しなさい」と言わないのに子どもの成績がよくなる理由…親の努力の厳しい現実「学力は遺伝に勝てるのか」_8

2023/7/13

935円

256ページ

ISBN:

978-4022952165

結局「生まれが9割」は否定できない。でも、遺伝の仕組みを深く理解すれば、「悲観はバカバカしい」と気づくことができる。
遺伝が学力に強く影響することは、もはや周知の事実だが、誤解も多いからだ。 本書は遺伝学の最新知見を平易に紹介し、理想論でも奇麗事でもない「その人にとっての成功」(=自分で稼げる能力を見つけ伸ばす)はいかにして可能かを詳説。
「もって生まれたもの」を最大限活かすための、教育の可能性を探る。

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安藤寿康

あんどう じゅこう

1958年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、同大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。慶應義塾大学名誉教授。教育学博士。専門は行動遺伝学、教育心理学、進化教育学。日本における双生児法による研究の第一人者。この方法により、遺伝と環境が認知能力やパーソナリティ、学業成績などに及ぼす影響について研究を続けている。『遺伝子の不都合な真実─すべての能力は遺伝である』(ちくま新書)、『日本人の9割が知らない遺伝の真実』『生まれが9割の世界をどう生きるか─遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋』(いずれもSB新書)、『心はどのように遺伝するか─双生児が語る新しい遺伝観』(講談社ブルーバックス)、『なぜヒトは学ぶのか─教育を生物学的に考える』(講談社現代新書)、『教育の起源を探る─進化と文化の視点から』(ちとせプレス)など多数の著書がある。

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