対話型AIのレベルを次のフェーズに引き上げた「ChatGPT」

そもそも“対話型AI”とはどんなものなのか。

「経験と学習を積み重ねることで、次のアクションを改善していくアルゴリズムである“機械学習”をするプログラムのなかで、人間との対話を想定したものです。身近なものでは、iPhoneに搭載されているSiriや、Android系のGoogle アシスタントなどがこれに分類されます。質問をチャットに打ち込んだり音声で質問したりすると、AIが回答してくれるわけです」(ITジャーナリストの神崎洋治氏、以下同)

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今なぜ、そんな対話型AIが流行しているのかが気になるところだ。

「曖昧で抽象的な質問にはあまり答えてくれなかったSiriやGoogle アシスタントとは異なり、アメリカの非営利団体Open AIが昨年11月に公開した『ChatGPT』という対話型AIが、これまでのイメージを塗り替えたからでしょう。

ネットサービスという形で、誰でも無料で利用できるChatGPTの最大の特徴は、チャットに質問を打ち込むとまるで人が返信したかのような回答がもらえること。ネット上のビッグデータを機械学習させ、さらに質問に対し明確な回答が得られなくても、“答えに近いと思われるものを複数挙げ、それらを組み合わせて回答する”ことで、曖昧さを許容した回答ができるところです。

あとは、単に情報を羅列するのではなく、あたかも人が答えているような回答になるよう、開発陣がAIの回答をスコアリングし、自然に見える言い回しで回答することにも注目が集まりました。その人気は凄まじく、サービス公開からわずか3カ月でユーザーが1億人を突破。“対話型AI”に再び世界から熱視線を集めることに成功したのです」