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板書をノートに取ることは必要?
今どき板書をノートに取るのは非効率。子どもにすすめない→✖️
実は板書をノートに取るのは頭を使う作業。子どもにすすめる→◯
ノートを取ることは頭の整理に役立つ

授業中に板書や先生の話をノートに取ることは、「思考を整理して書く」というアウトプットの基本トレーニングになります。

しかし、時間もかかるし面倒くさいので「書くこと」を嫌う子どもは多いです。人間はどうしてもラクな方向に流れていくものだから、仕方ないのかもしれません。
授業時間の節約のために最近では、学校や塾でも穴埋めプリントで板書の代用をすることも多いようです。
 
ただ、メモを取らない子は、その場ではわかったつもりでも、結局記憶に残っていないケースがほとんどです。

ノートは頭が整理されていないと上手に取ることができません。ノートを取るのに時間がかかる子の多くは、その内容を理解しておらず、一字ずつ書き写しています。
つまり、うまくノートを取ることと内容の理解度はリンクしていることがほとんどです。

ただ機械的に写し取るだけではなくて、理解できていることなら一部を省略して書いてもいいでしょうし、逆に先生が「ここは書かなくてもいいよ」と言ったことでも、「大事だな」「おもしろいから書いておこう」とノートを取れる子はどんどん伸びていきます。

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「書くこと」でアウトプットする方法は、文字情報だけとは限りません。理科では植物や昆虫を観察した絵を描かせることがあります。見たものすべてをノートに写し切ることはできませんから、「どこに特徴があるのか」「何を注視すべきなのか」をつかんだうえで抽象化して描いていく力をつけるのが、この理科の観察の目的です。
 
パソコンやタブレットなどを使った学習も広がっていますし、「書く」以外の学びの選択肢は増えています。
それらももちろん効果的ではありますが、「書くこと」を疎かにするとアウトプット能力が磨かれないという懸念もあります。今も昔も板書をノートに取ることは、子どもたちにとって大切な学びなのです。