
【日本アウフギーサー協会「給料未払い問題」】元・KANA-BOON→現・関西No.1熱波師が衝撃告白! 「“契約書をなくしたから払えない”の一点張りでした…。希望を持ってアウフグースをしている若い子たちがこれ以上騙されてほしくない」
ロックバンド「KANA-BOON」の元ベーシストにして、現在、大人気アウフギーサー(熱波師)として活動する“素面のいいだ”さん。昨年10月に投稿した告発ツイートの真相とは? 独占インタビューを「サウナの日」にお届けする。
一般社団法人日本アウフギーサー協会
「給料未払い問題」の真相
――昨年10月、「一般社団法人日本アウフギーサー協会からの給料と経費が振り込まれない。でも、会長は港区のタワマンに住み続けていて……」という内容のツイートを投稿(現在は削除済み)。衝撃的な内容でしたが、どのような経緯があったのですか?
一般社団法人日本アウフギーサー協会は、アウフギーサーの仕事をまとめて請け負うための大きな事務所として、サウナ業界のある有名人が立ち上げた団体なんです。アウフギーサーを従業員として雇用してスケジュール管理をしてくれて、自分が体調を崩しても代わりに誰かを派遣してもらうこともできて、その上で固定給ももらえる、という説明を受けていました。
個々人で活動していたアウフギーサーにとってメリットのある話でしたし、有名なアウフギーサーの方が何名も加入するという話だったので、僕は従業員として立ち上げに参加することにしました。
でも、蓋を開けてみたら、イベントをした温浴施設からその団体にギャラが支払われているのにもかかわらず、所属するアウフギーサーにはお金が振り込まれなくて……。

――その後、一般社団法人日本アウフギーサー協会からはどのような説明を受けたんですか?
「契約書をなくしたから払えない」の一点張りでした。さすがにおかしいので問い詰めると、「もっと儲かると思っていたのに、あんたたちがもっと働かないから払えない」と言われてしまい……。
温浴施設からのギャラは振り込まれているけど、そのお金は残されておらず、僕たちの給料は未払いのままでした。最初の3か月くらいは関東で研修があったので、関西と行ったり来たりしていたんですが、その交通費も支払われることはありませんでした。結局、いろいろなものを含めると未払い額は100万円を超えていると思います。
従業員だったので社会保険だったわけですけど、その団体を辞めるとなってから、会長たちと連絡が取れなくなってしまって……。だから、しばらく保険証も使えない状態でした。
サウナが流行ってきたからこそ、
余計に気をつけないといけない

――そのやりとりのピークが昨年7月くらいだったんですよね?
はい、まさに「Aufguss Championship Japan2022」の3日前に話し合いをしました。僕たちにとってはオリンピックみたいな大会だったのに、もうメンタルはボロボロ。大会前にはほとんどタオルを触れる時間もないほどでした。僕が個人としてお世話になっていた温浴施設に対しても、会長たちは失礼な言動が多く、人として終わっているなと思いました。
――10月にツイッターで表明するまではこのことをいっさい表に出さなかったですが、あのタイミングで投稿したのはどうしてですか?
昔ほどサウナ好きが全員いい人というわけではないし、サウナ業界に悪い人が寄ってきてしまっているのが現状なので、希望を持ってアウフグースをしている若い子たちがこれ以上騙されないように、という思いが強かったですね。サウナが流行ってきたからこそ、余計に気をつけないといけないというか。

――いいださん以外にも被害に遭った方はいたのでしょうか?
いましたね。僕以外に被害に遭ったアウフギーサーはみんな若くて、けっこうメンタルをやられちゃった人もいました。こういう言い方はおかしいですけど、そういう絶望的な出来事に対して、僕は割と慣れているので……。まさか自分が巻き込まれるとは思っていなかったですけど(笑)。
東京で用意してもらったのが事故物件の部屋だったとか、細かいネタはいっぱいあるんですけど、言ってもキリがないので、しょうがなかったなと思うしかないですね。
まだまだかすり傷くらいにしか思っていない

――ツイッター投稿後も明るく活動されていますが、前を向き続けられるのはなぜですか?
こんなところで止まっていられない、という思いが強いんですよね。本当にサウナ文化、アウフグース文化を日本にもっともっと広めていきたいと思っているので。僕が主導して本気でアウフギーサーを集めた会社を立ち上げればよかった、という思いはありますけど。
――今後、いいださんが先頭に立って新組織を作る可能性もあるのでしょうか?
周りにすごく言われます。「もうおまえが会社やってよ」って。妻にも言われます。日本アウフギーサー協会には騙されたと思ってますけど、温浴施設に対する契約書づくりなどのノウハウは勉強させてもらえた部分もあります。そういう経験ができたとプラスに考えていくつもりです。

――具体的にはどのような動きをいていこうと考えていますか?
ヨーロッパではアウフギーサーとして活動するだけじゃなく、経営する農場で薬草を育ててアウフグースに使うアロマを作る人もいたり、そもそも温浴施設の支配人でありながらアウフギーサーとして活動する人もいたりするんです。アウフグースに対して、プレイヤーとしてだけではない携わり方もいろいろあるので、もっとアウフグース業界が盛り上がるための活動をいろいろと考えていきたいです。
夢を持ってアウフギーサーになる若い子が増えているからこそ、この業界にがっかりしてほしくないんですよね。僕は人には恵まれているので。任せられるメンバーもいますし、折れずに突き進んでいきたいです。
一度騙された僕だからこそ、信頼してもらえる組織を作れるんじゃないかとも思います。まだまだかすり傷くらいにしか思っていないので(笑)。これからもっともっとサウナ愛を爆発させていきます!
撮影/雨宮太郎
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