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2度の早期退職や無職などの経験を持つ佐野創太さん。そんな実体験や転職エージェント時代の知見などを元に、"ワケあり人材”が転職先で一目置かれる存在となる「ゼロストレス転職」を提唱しています。

佐野さんは本書の中で「普通に書類を作って応募し、面接を受けて入社する。これで幸せになれるのは、エリートの中でも運がいい人だけだ」といいます。

ワケあり人材こそ、履歴書や職務経歴書以外に「プラスアルファの資料」を用意すべきで、この資料こそ採用の決め手になるといっても過言ではないそうです。

この記事では、厳しすぎる上司を自己PRの材料に変える「上司リファレンス」についてお伝えします。

厳しい上司をネタにする「上司リファレンス」

「リファレンスチェック」をご存じでしょうか? 
経歴照会、身元照会といった意味で、外資系企業では広く知られています。これを導入する日本企業も増えてきました。

リファレンスチェックは、求職者の職場の人が求職者の仕事内容の評価や実績、長所や短所を書くものです。「もう一度一緒に働きたいか」といった自由記述もあります。選択式で「コンプライアンスの意識の高さ」や「勤務態度」などを見る項目もあります。

あなたは、リファレンスチェック歓迎派でしょうか? 「何となく嫌だなぁ」と感じる人が多いと言われています。

ワケあり人材が転職を成功させる裏ワザは「強味を自分からアピールしない」ことだった!_1
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ただ、リファレンスチェックには入社後のミスマッチを減らせるメリットがあります。企業の本音は、「求職者の確かな情報を知りたい」。応募書類も面接での発言も、疑おうと思えばどこまでも疑えてしまうからです。

企業はビクビク怯えています。「成果を出せる社員」といった攻めの採用より、「問題を起こさない社員」といった守りの採用をする人事も少なくありません。
なお、転職エージェントが導入したい企業に「リファレンスチェックをすると応募率が下がるからやめてほしい」と伝える光景は、採用の裏側ではおなじみです。

さて、賛否が分かれるリファレンスチェックですが、ここで一つ提案です。企業が「実施したいけど、思い切ってできない」という事情を逆手に取ってみませんか? 「転職活動を知られたくない」と考えるかもしれません。大丈夫です。上司に、リファレンスチェックの作成を依頼するわけではありません。
あなたが上司を調べて書いてみるのです。

結局のところ、リファレンスチェックの目的は「求職者の確かな情報を知ること」だからです。どういった上司のもとで仕事をしてきたのかは、あなたが「どんな環境で力を発揮できるのか」という再現性が客観的に伝わる一つの指標となります。