
理想のアイドルは柏木由紀さん。日本テレビ徳島えりかアナのアイドル愛と、「シューイチ」の司会として気をつけていること
情報番組『シューイチ』の総合司会、徳島えりかアナ。柏木由紀さんをはじめとしたアイドルへの愛やアナウンサーを目指すきっかけを聞いた。
『行列のできる法律相談所』、『ZIP!』などを経て、現在は『シューイチ』のMC、『news every.』のキャスターとして活躍する、徳島えりかアナウンサー。
2011年・卯年に日本テレビへ入社し、今年で干支が一周する徳島アナに、これまでと今、そしてこれからのことを語ってもらった。
「本当に映ってるの?」と思ったテレビ初出演
――今では中堅アナウンサーとして活躍される徳島さんですが、初めてテレビカメラの前に立ったときのことは覚えていますか?
日本テレビはここ数年、新人アナウンサーのデビューは朝の『ZIP!』から『スッキリ』と順番にご挨拶をすることが多いんですね。
ところが、私の年はいきなり『バンキシャ!』だったので、伝えられたときは足が震えました。
――日曜夕方の生放送報道番組ですね。
当時総合司会を担当していた鈴江奈々アナの夏休みを利用して、新人アナをデビューさせようという。
今考えると、とんでもないプロジェクトだと思うのですが、勇気ある上司や周囲の理解によって、私はVTRの振りや、天気予報を読んだり、フリップをめくったりしました。
――生放送中はどんなお気持ちでしたか?
今私の姿が本当に全国の皆さんのテレビに映っているのだろうか? と実感がありませんでした。
家に帰ってから録画を見たら、当たり前ですがちゃんと映っていて『あ、こんな感じなんだ…』と。
――こんな感じとは?
明らかにこれは、いつもテレビに出ている人ではないな、という感じです(笑)。
私は緊張するとまばたきが多くなる癖があるんですが、「お天気です」というひとことの間にも、すごい数のまばたきをしていて、我ながら『この人大丈夫かなぁ…』と心配になりましたね。それが2011年7月の出来事です。
――アナウンサーとして心がけてきたことはありますか?
普通の生活者であることを忘れない、ということです。
『シューイチ』では、まず中山秀征さんという大ベテランのMCがいらっしゃって、レギュラーにはKAT-TUNの中丸雄一さん、コメンテーターには様々な分野の専門家や、元オリンピアンなど錚々たる方々がいらっしゃいます。
すると「どうして私みたいな一般人が一緒にいられるんだろう?」と不思議な気持ちになる瞬間があるんです。
でも、一般人だからこそ、そこにいる意味があるとも思います。テレビの前の皆さんと同じように生活していて、たとえばスーパーで卵がないとか、油が高いとか、そういうことを実感を持って伝えられるのは、私が一人の生活者だからです。
――その感覚を大事にされている?
はい。視聴者代表として、わからないことはわからないと言い、専門家のかたに尋ねる。それが、私の役割だと思っていますし、これからも忘れないようにしたいですね。
アイドルは目指すものではなく、愛でるもの
――アナウンサーを目指した理由は?
子どもの頃からテレビや雑誌が大好きで、漠然とマスメディアに関わる仕事に就きたいなとは思っていました。
大学生の時に様々なメディアの方のお話を聞く機会があり、アナウンサーの方が「自分で取材したことを、自分の言葉で、声で伝えられる」とおっしゃったのに感銘を受けたのがきっかけでした。
――徳島さんと言えば、AKB48好きとして有名ですが。
子どもの頃にモーニング娘。さんに出会い、以来、ずっとアイドルは好きで応援しています。
――ご自身がアイドルになりたいとは?
私にとってアイドルは、自分がなるものではなく、愛でるものです。ですからなりたいとは…なれるなんて思いもしなかったですね。
歌って踊って笑顔でみんなを元気にして…なんて、私ごときができることではありません(笑)
――徳島さんの柏木由紀さんへの愛は特に有名ですが、どこに一番魅力を感じるのでしょう。
誰よりもアイドルを楽しんでいるのが伝わってきて、幸せな気持ちで満たされるんです。
これは私が勝手に感じていることなんですが、私と柏木さんは「アイドル」に求めるものが近いのかなと思うんですよね。
――徳島さんがアイドルに求めるものとは?
キラキラ、ピンク、お花、ハート…かわいいものをギュッと詰め込んだ感じで、柏木さんは、それを具現化して見せてくださいます。
たとえば、AKB48は振付師さんが作った振り付けを、それぞれがちょっとだけアレンジするんですが、柏木さんはほんの少し腰にしなりを加えたり、首の角度だったり、さりげない工夫をされていて、とてもかわいいんです。
そしてカメラに映った瞬間に、絶対、ウインクやワンアクションしてくれる。
周囲に年齢のことをいじられても、「私はアイドルをやりたいからやっている」と堂々としていて、素敵。
アイドル道を突き詰めているところが、本当に好きです!
――お仕事ではアイドルの方とご一緒されることも多いかと思いますが。
「尊敬」のひと言です。生放送の音楽番組は何度かフォーメーションを確認したら本番ということもありますが、それであのような完璧なパフォーマンスを見せてくださるなんて、ひとり残らず天才だと思っています!
視聴者の声がモチベーション
――アナウンサーというお仕事に就いて12年。一番やりがいを感じる瞬間は?
たくさんありますが、オリンピックは特別でした。
'12年のロンドン、'16年のリオと現地取材し、現場の盛り上がりや選手の声を日本に届けながら、頭の中にはずっと'20年の東京オリンピックがありました。ロンドンとリオでの経験を糧に、東京ではもっと臨場感を持ってみなさんにお伝えしたいと思っていたのですが…。
――1年の延期、そして無観客での開催となってしまいましたね。
だからこそ、私たちがよりいっそう、アスリートの皆さんの思いや、現場の“空気”を伝えなくてはならないと肝に銘じました。
映像と音声があるのはテレビの最大のメリットで、迫力のあるプレーや、ボールの音などもお届けできるし、カメラに映らない裏側の部分は、私たちアナウンサーが言葉にしてお伝えできる。
見てくださった方の「テレビで見ていても楽しかった」「感動した」という声が、本当に嬉しかったですし、やりがいを感じました。
――いま、アナウンサーというお仕事をしていることが幸せですか?
テレビは基本的に一方通行のコンテンツなので、ずっとスタジオにいると視聴者の方のリアクションを感じることが難しい。
ですがロケに出たり、現場取材に行ったりしたときに「この間の番組、おもしろかったです」や「紹介されていた場所に実際に行ってみました」と言っていただけるのは、モチベーションに繋がりますね。
――これから、どのようなアナウンサーになっていきたいですか?
アナウンサーとして、きちんとお伝えするという基本は大切にしつつ、私自身が皆さんに親しみを持っていただける、安心感がある存在でいたいですね。
干支がひとまわりしましたし、初心にかえって頑張ります!
取材・文/工藤菊香 撮影/石田壮一 ヘア&メイク/尾古夢月
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