「CICA(シカ)は新しい成分ではなく、昔から中国やアーユルヴェーダなどで使われていた植物の一つなんです。セリ科の植物であるツボクサの葉や茎から抽出されるエキスのことを言います」と椎葉さん。
諸説あるようだが、ツボクサの学名が「Centella asiatica」で、それを略して「CICA」と呼ばれるようになったらしい。
ツボクサは、野生のトラがケガを負った時にツボクサに体をこすりつける様子を見て、その効能が知られたという伝承があり、別名「タイガーハーブ」と呼ばれている。古くから貴重な植物として知られているそうだ。
「乾燥や肌あれなどのトラブルを防ぐ成分として昔から使われてきた成分で、ツボクサエキスとして成分表示には書かれている化粧品は以前からありますよ」
では、なぜ今になって急にトレンドの成分として急成長したのだろうか。
理由の一つに韓国コスメの影響が考えられる。韓国では美容医療後のケアとしてツボクサエキス配合のものを処方されることが少なくないようで、注目の成分とされていた。
「PM2.5などの花粉・ちり・ほこりにおける肌トラブルは韓国で関心度が高く、CICA成分の化粧品は注目されていました」と椎葉さん。
さらに美容系インフルエンサーが話題にしたことで日本でも注目度が上がったことが背景にあるようだ。
肌あれのケアで大ブーム! 話題の美容成分「CICA(シカ)」の効果って?
スキンケアコーナーで、最近目にすることが多くなった「CICA」クリーム、「CICA」成分入りのシートマスク……。流行っているようだが、一体どんなものなのか? 今さら聞けない「CICA」成分について、コーセーコスメポート株式会社、宣伝部の椎葉亜澄氏と商品開発担当の森川真友美氏に解説いただいた。
韓国コスメの影響で日本でも話題になったCICA
マスク生活における肌あれケアとのマッチング
もう一つは、コロナ禍によってマスク着用が原因の肌あれに悩む人が多くなったことだ。
「マスクを着けているとどうしても肌に擦れてしまい、乾燥や肌あれの原因になります。また、マスクの内側は蒸れた状態になっているため、肌あれなどトラブルの悩みが多くなったという方も増えています。その結果、肌あれへのケアに関心が高くなり、そのトラブルを防ぐCICAクリームに注目が高まったと分析しています」と森川さん。

マスクを着けることで、肌が擦れてトラブルの原因に
また、CICAは乾燥や肌あれのトラブルに対して、しっかりケアできるというのもポイントだ。
「CICA商品は乾燥などの肌トラブルをケアしながら、潤いもキープできるので、そういったケアを求めている方にとっては新しい発見であり、手に取られる機会が多くなったと考えています」
初めは韓国発のトレンドの美容成分だったが、ヒアルロン酸、コラーゲンなどと同様に誰でも聞き馴染みのある成分として定着しそうなほど勢いがあるCICAだ。
「CICAの登場で、肌あれという分野がさらにクローズアップされ、一般の方に認知が広がったと考えています。
当社調べですが、肌あれ・敏感・フェイスクリーム市場(2019年1月から2021年12月まで)において、CICAクリームの販売金額は、2021年は前年比251.9%と驚異的に伸びています。今年度もさまざまなメーカーからCICA商品は発売されているので、今後も市場規模は拡大し、定着していくと思います」
「タイガレイド 薬用CICAリペア クリーム」も売れ行き好調!
そんな中、8月上旬にコーセーコスメポートからデビューしたスキンケアブランド「タイガレイド 薬用CICAリペア クリーム」の販売が好調のようだ。
肌あれ・ニキビ予防の有効成分、グリチルリチン酸ジカリウム、アラントインのW消炎成分と乾燥ダメージケアの3つのツボクサエキス※が配合されていて、肌あれやニキビ、乾燥トラブルを集中ケアできるのが特徴。
日焼けや雪焼け後のほてりを防いだり、花粉、ちり、ほこりなど環境ストレスから肌を守ったりなどの効果が期待できる。
※3つの原料

顔にも体にも使える。左:「タイガレイド 薬用CICAリペア クリーム 」150g ¥1,980(税込み/編集部調べ) 右:「タイガレイド 薬用CICAリペア クリーム ミニ」50g ¥880(税込/編集部調べ)
「当社の調査では、CICAクリームの優しい使用感や、肌トラブルをケアできる点が評価されている一方で、海外製のものが多く、安心感のある日本製のものを求める声や気軽に全身に使えるものが欲しいという声が上がっていました。このような背景から、繰り返しがちな肌トラブルを集中ケアし、全身に使える日本製の『薬用CICAリペア クリーム』を発売しました。
濃厚クリームですが、ベタつかずとろけるように伸び広がるテクスチャーなので、乾燥している部分にお使いいただくとしっかり保湿できます。
弱酸性で毎日使える優しい使い心地が特徴です。夜はお手入れの最後に、朝はメイク前にお使いいただいてもOK!
肌あれやニキビケアをはじめ、油性肌や男性にもおすすめです。アルコールフリーなので、男性のカミソリ負けなどの予防にもお使いただけます」と森川さん。

グリーンの色は、クロロフィル(植物由来成分)によるもの
「チューブタイプとジャータイプありますので、私はチューブタイプをポーチに入れて持ち歩き用に、ジャータイプはデスクに置いて、肘や手にハンドクリーム代わりに使っています。天然ハーブの香りにいやされますよ」と椎葉さん。
タイガレイドのブランド名は、十二時辰や旧暦のように「寅の刻」「寅の月」など、1日や1年の始まりを象徴する寅に由来し、肌トラブルで悩んだ時は、はじめにタイガレイドを頼ってもらえるようにと願いを込めて名付けられたそう。
「これから季節は秋から冬へ移行し、ますます乾燥が気になるシーズンになります。
マスク生活も最近はシーンごとに着けたり外したりを繰り返すことによって、余計に肌へのストレスがかかるので、タイガレイドを肌のピンチに頼れる相棒としてお使いいただけるとありがたいです。今後もさまざまな肌トラブルに対応できる商品を開発していきたいと思います」
コーセーコスメポート株式会社
ダイガレイド
https://www.kosecosmeport.co.jp/brand/tigeraid/
取材・文/百田なつき
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