「妖怪言い訳小僧の巻」(ジャンプ・コミックス196巻収録)

今回は、前回に続いて、両さんが遅刻の言い訳のため嘘を並べ立てるお話をお届けする。

本作で両さんは、遅刻の理由を「妖怪のせい」にして部長をブチ切れさせる。この言い訳は、言うまでもなく、ゲームやアニメが大ヒットした『妖怪ウォッチ』からのイタダキだ。

同作のアニメのエンディング曲「ようかい体操第一」は、いろんな困り事を「妖怪のせいかもね」と歌っている。かわいらしい振り付けで踊るキャラクターたちの映像と、子供が共感を覚える歌詞によって、やがて大ブームに。

子供たちはようかい体操をいたるところで披露するようになり、2014年の紅白歌合戦では同作の特別コーナーが設けられ、出場歌手たちが体操をするといった現象が見受けられた。

それと同時に、子供たちがなんでも「妖怪のせい」にするのが社会問題化した。ただしこれは、単に責任転換をする問題を誘発していただけではなく、子供が対面する諸問題を妖怪に例えて認識し、それに向き合わせるきっかけを作っていたようにも思える。
もちろん両さんの場合は、100%責任転換するための言い逃れをしているのだが……!

それでは次のページから、「なんでも妖怪のせい」とホラを吹いて調子に乗りまくる両さんの大暴走をお楽しみください!!