「反省鍋…!?の巻」(ジャンプ・コミックス43巻収録)
今回は、年末の大掃除を終えてフグちりで一献傾けよう……という派出所の面々に、ひとり置いてきぼりを食らった両さんが復讐しようとするお話をお届けする。
フグは産卵のため冬季に日本沿岸に近づいてくることもあり、冬が旬といわれている。その外見もさることながら、ふぐの最大の特徴といえば、やはり内臓に毒を持っていること。よって、都道府県のフグ調理師試験に合格した者でないと扱うことができない食材なのだ。
もちろん個人が勝手に捌いて食べる分には資格は不要だが……毒による死亡者があとを絶たないことを考えると、危険を伴う行為なのは間違いない。もっとも両さんだったら、肝をそのまま食べてもへっちゃらかもしれないが……。
さて、フグの代表的な食べ方といえば、やはりフグ刺しと、本作で描かれているフグちりだろう。
フグはかなり繊維質な魚なので、刺身は噛み切りやすくするために透けて見えるほどの薄切りにして供される。ちなみに両さんが宴の幹事を務めた「夢のふぐ忘年会!の巻」(ジャンプ・コミックス63巻収録)では、費用を浮かすために、限界を超えて薄く削がれていた……。
そして一方のフグちりだが、要はフグを使った鍋料理だ。「ちり」とは白身魚のこと。「当たると死ぬ=鉄砲」にかけて「てっちり」と呼ぶ地方もある。淡泊ながらも味わい深く、ご飯を入れて雑炊で〆るのも乙なものだ。
それでは次のページから、フグちりを巡る真冬の復讐劇をお楽しみください!!