「涙のペイオフ解禁の巻」(ジャンプ・コミックス132巻収録)

今回は、両さんが落としたロトくじを回収するために銀行の金庫に侵入するという、公務員による大犯罪劇!? をお届けする。

両さんは作中で海外のロトくじを購入しているのだが、そもそもロトくじとはなにかを軽くご紹介しておこう。

ロトくじとは、数字選択式のくじのこと。日本においては選ぶ数字の桁によって「ロト7」、「ロト6」、「ミニロト」の3種類がある。桁が多いほど当たりを引き当てる確率は低くなっていくが、そのぶん当選金の額が上がっていく仕組みだ。

「ロト6」を例に挙げると……まず1から43の中から6つの数字を選び、そのすべてが抽選された結果の数字と一致すれば「1等」当選となる。6つのうち3つが一致した場合は、一番下の等級「5等」当選だ。

ギャンブル好きの両さんがなぜロトくじを購入するかという理由は、キャリーオーバーというロト独自のシステムゆえかもしれない。これは、1等該当なし、もしくは1等に振り分けられた金額以下の当選の場合に、残った金額が次回に繰り越される制度のことだ。キャリーオーバーがあった場合は、ロト6では、通常の1等最高賞金額である2億円が、最高6億円にまで跳ね上がる。最高賞金額がより大きな海外のロトくじで、まさに一攫千金を狙ったのだと思われる。

本編をお読みいただく前に、もう少しだけうんちくを。エピソードタイトル中にある「ペイオフ」とは、金融機関が破綻した場合の破綻処理方式のひとつで、「定期預金等の補償額上限が1000万円&利息分」とする制度を指す。本作が描かれた2002年にその制度の一部が解禁となっている。それが作中でどのような事態を巻き起こすかは……読んでのお楽しみだ。

それでは次のページから、両さんの大金を賭けた一世一代の大博打をお楽しみください!!