最高に釣り合う主演の二人
20年前に離婚したジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツが演じる元夫婦。2人の愛娘リリー(ケントリン・デヴァー)が、ロースクール卒業後の旅行先バリで知り合った地元の青年と結婚すると聞いて、彼らはそれを阻止しようとトロピカルな楽園に乗り込んで行く。いつもなら犬猿の仲の彼らだが、無理な協力体制をとったことからてんやわんやの騒動に。キャリアを重ねても、未だスターのオーラを発光し続けているジョージ&ジュリアのアホなやりとりに笑い、南国の島の美しい景観を楽しんだ。
ジョージとジュリアの、喧嘩をするほど仲がいい的な相性の良さは、本作のキモとなっている。何かにつけて子供じみた競争になる彼らだが、散々飲み明かした後に、2人が懐メロのダンス音楽に合わせて踊るシーンを観ていると、その弾けっぷりに、彼ら自身が楽しんでいるのがよく分かる。そりゃあもう、娘のリリーじゃなくても「あの2人に隕石落として〜」ってくらいに、両者ノリノリなのだ。
思うに、ジュリア・ロバーツという絶対的なスターの相手役として釣り合いが取れる俳優は、常に難しかった。なんというか、彼女の存在自体がハデで、リチャード・ギアやハビエル・バルデムやジョージ・クルーニークラスの重みがないと、ジュリアだけが目立ってしまい、相手役がなんだかショボく見えたものだ。
その点で、何度か共演を果たして違和感のなかったジョージ・クルーニーならいうことなし。本作は、主演の彼らをあらかじめ想定して書かれた脚本だというから、共同脚本も執筆したオル・パーカー監督(『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』)も本望だったことだろう。