かつては毎月必ず行っていたライブハウス。だけど、もう2年半以上もご無沙汰だった

2022年3月。
コロナ禍がはじまって以来、ずっと思うようにできなかったライブ活動を、僕はいよいよ再開することにした。待っているファンのために……。
嘘。既にタイトルでバレバレなので引っ張りもしませんが、僕はもちろん“観る専”です。僕のファンもいません。

コロナ前、最後に観たライブはなんだったっけ?と思い返してみると、2年半以上も前の2019年8月31日、新宿「ANTIKNOCK」(註1)でおこなわれた第173回「消毒GIG」(註2)の、GAUZE(註3)とthe原爆オナニーズ(註4)だった。

ライブ活動(観る専)復活宣言。【前編】血湧き肉躍るライブハウスよ、ただいま!_a
コロナ前、最後に行った「消毒GIG」

註1 1985年から営業しているパンク系老舗ライブハウス。タバコとビールの匂いが充満する、ハードコアパンクの殿堂として名高き空間。僕は高校の頃から行っていたので、思い出いろいろ。
註2 ハードコアバンドGAUZEが1981年からおこなっている自主企画。この第173回を最後に中断中。再開熱望!
註3 1981年結成のハードコアバンド。40年以上変わらぬスタイルを貫き、世界から注目される激やばバンド。ライブはもう何回観ているかわからないほどだけど、いつも最&高。
註4 1982年から活動している名古屋のパンクバンド。GAUZEと並び、若手からも尊敬を集めるレジェンド。

当時の僕は、少なくても月に1〜2回はライブハウスに通っていたが、その後の半年、仕事やプライベートの予定がかなり詰まってしまったため、好きなライブに行けなかった。
そして年が明けて2020年。いろんなことが一段落したので、「よーし、今年はいっぱいライブを観るぞ!」と誓うとともに、すぐにふたつのチケットを購入したのだ。

ひとつは、2月25日に「EX THEATER ROPPONGI」(註5)でおこなわれるPIXIES(註6)の来日公演だった。
しかしその頃、あれよあれよという間に世界中でコロナが拡大し、PIXIESは来日中止。公演は延期というアナウンスがされた(註7)。
その時点では、「まあ外タレは仕方がない。この妙ちきりんなウイルスが落ち着いたら改めて来日するだろう。きっと年内にも延期公演があるだろうから、チケットはこのまま持っておこう」(註8)などと悠長に考えていたものだが……。

註5 六本木通り沿いに2013年オープンした大規模ライブハウス。来日バンドの公演も多い。
註6 1986年に結成されたアメリカのオルタナ系バンド。インディロックシーンで影響力大。1993年に一度解散したが2004年から活動再開。
註7 日本では国内感染はまだ少なく、横浜に停泊中のクルーズ船内でのクラスターが注視されていた頃。
註8 まだ「新型インフルエンザみたいなもんだから、すぐに落ち着くでしょ」って、みんな高をくくっていたよね。

もうひとつは、2020年3月8日に「新宿LOFT」(註9)でおこなわれる予定の、「LONDON NITE」(註10)40周年記念イベントのチケット。
高校生の頃から大好きなバンド、LAUGHIN' NOSE(註11)やTHE SKA FLAMES(註12)、ギターウルフ(註13)らが出演するイベントだ。
「LONDON NITE」は直前まで、なんとか開催できないかと模索していたようだったが、やっぱり苦渋の中止判断がくだされた。

ライブ活動(観る専)復活宣言。【前編】血湧き肉躍るライブハウスよ、ただいま!_b
中止になった2つのライブのチケット

註9 1971年にオープンしたジャズ喫茶「烏山ロフト」から続くライブハウス。日本のロック系ライブハウス文化を創成した立役者のお店。僕は西新宿にあった前の店舗からの常連客。
註10 音楽評論家・大貫憲章が1980年にはじめた、パンク、UK系のロックイベント。音楽業界だけではなく、ファッション界、芸能界にも多数の人材を輩出。
註11 1981年に結成されたパンクバンド。1980年代中頃に絶大な人気を博した、インディーズ御三家(LAUGHUN’ NOSE、THE WILLARD、有頂天)の一角。僕は高校の頃、LAUGHUN’ NOSEのコピーバンドをやっていた。
註12 1985年に結成された、日本を代表するオーセンティックスカバンド。1989年には世界デビューを果たした。
註13 パンクとガレージからの影響が濃い、1987年結成のスリーピースロックバンド。メンバーの革ジャン、革パン、サングラスのファッションも有名。