保護猫カフェで出会った3本足の猫
漫画家・天道グミさんが保護猫のしじみちゃんと出会ったのは、2018年4月のこと。もともと実家では犬を飼っており、「犬派」だったという天道さん。野良猫に名前をつけるほど猫好きな、同じ漫画家でパートナーでもある同居人の影響で猫を飼いたいと思うようになったという。
「『ペットショップで買ってしまうと不幸な猫ちゃんが増える』と耳にしたことがあったので、ペットショップで購入するのではなく、保護猫カフェを巡りながらビビッと来る猫ちゃんを探していました」(天道さん)
こうして数件の保護猫カフェに通うこと約8ヶ月。「いいな」と思った猫との出会いもあったが、最後の決心が踏み出せないでいたときに、隣駅にも保護猫カフェがあることをインターネットで知る。そこで出会ったのが、虐待により壊死(えし)した右前足を根元から断脚した猫だった。
「ジッとケージの中からこっちを見ていて、『あら、かわいい子がいるわね』というのが第一印象でした。保護主の方にケージから出してもらうと、人間に虐待された過去を持つにもかかわらず、人懐っこいんです。とにかく、本当に可愛くて。ピンと来たというか、私たちを呼んでくれたような気がしました」
運命を感じた天道さん。まずは本当に飼うことができるか猫と飼い主の相性を確かめるためのトライアルとして1週間、一緒に生活することになった。3本足ということで不安もあったが、保護主によれば4本足の猫と変わりないほど活発で、階段も登れるとのこと。「“普通の猫”としてお迎えすればいいんだ」と準備を進めた。