夏だ! 海だ! となると、やはり今年もまたサメ映画について語らねばなるまい。ネットでのバズりを狙った悪ふざけ全開のサメ映画も結構だが、たまには本格的な“怖い”サメ映画もいいものだ。というわけで今回は、「冷や冷やゾクゾクする」サメ映画を5本、独断と偏見によるランキング形式でご紹介させていただきたい。
なお、スティーブン・スピルバーグ監督の『ジョーズ』(1975年)は殿堂入りとして、このランキングからは除外する。
第5位:『ゴースト・シャーク』(2013年)
「なぶり殺しにされた一匹の名もなきサメが、とあるパワースポットで死後霊体化、“ゴースト・シャーク”と化して人類に復讐する」というのが本作のストーリー。「いきなりふざけているのか!」とお叱りの言葉が飛んでくるかもしれないが、驚くなかれこの『ゴースト・シャーク』、設定こそ奇抜なれども、中身は案外おもしろい。
「ゴースト・シャークは水のある場所にならどこにでもワープできる」
「水から水へと瞬間移動して、陸地でも獲物を追いかける」
というギミックを十二分に生かした襲撃シーンの数々は見応えたっぷり。ウォーターサーバーの中に潜伏したり、トイレから現れたり、雨天時は移動制限がなくなり手がつけられなくなったりするなど、そのアイデアのユニークさではほかの名作に引けを取らない。
幽霊ザメという設定は一見滑稽だが、作品としては全体的におどろおどろしく、意外とオカルト風味の怖さも感じられるのが嬉しいところ。オチは少々やっつけ仕事気味だが、諸々ひっくるめて楽しめるサメ映画には違いない。