「私が新卒の子の行動で一番ビックリしたのは、エクセルのデータをガタガタに壊されたことですね。エクセルの管理表にちょっと追加してほしい項目を頼んでおいたのですが、提出してきたデータが、セル結合のオンパレードで、ソートできないデータになっていたんです。一体何をしたらこうなるのか…。

本人に問いただすと、『●●さんの言われたとおりにやったんですけどねぇ…』と、特に悪びれている様子もありませんでした。新人なので、できないのは全然いいんです。『できますよー』って返事をして、全然できていないのが一番困るんですよ。最近の新人は、根拠のない自信に満ちあふれている人が多く、そういった子への指導は結構苦労します」
 

確かにSNS上でも〈新卒はかなり仕事が出来なくて、つらい! そういう奴に限って俺って仕事出来すぎみたいな謎の自信があるから尚更きちぃ〉〈新卒が嫌いというより、「何もできないのが当たり前なのに、自分は現場でも役に立ちますという謎の自信を持った」新卒が苦手〉といった声が確認できる。

写真はイメージです 写真/shutterstock
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さらに、都内在住の映像制作職の30代男性は、個性的な新入社員との接し方に悩んでいるとも明かす。

「ウチは個性的な新人が毎年入ってきます。というのも、映像制作というクリエイティブ職なので、面接でも人柄よりもセンスやおもしろさを重視する傾向にありまして…。ポートフォリオの作品集がおもしろいと、面接の受け答えが多少アレでも、採用されるんです。

しかしその結果、いざ働きだしてもらうと散々なことに、というケースがあって…。今までで一番ひどいケースは、仕事開始から3日目で会社に来なくなって音信不通に。LINEブロック、着信拒否でどうすることもできなくなったところで、退職代行業者が会社にやってきたことがありました。

また、こちらは辞めたパターンではないですが、とにかくコミュニケーションを取ろうとしない新人も多い。職場ではテレワークを導入していますが、新人の子は勝手に、決められた日数よりも多くテレワークをするし、Zoomでのリモート会議では画面をオフにして真っ黒。しかも発言もしない。なので、こちらとしては会議に出ているかもろくにわからない。

今の時代、テレワーク中のリモート会議で『画面をオンにしろ』と指示することも、若干ハラスメントくさいですよね? 部屋の中を見たいのか? なんて思われたら問題ですし。結局、躊躇して、注意することができないんです」

なにをやってもハラスメントに該当する、“ハラスメントハラスメント”な時代、新入社員の指導に苦労する社員も多いだろう。

とはいえ、彼らは何も悪気があってやっているわけではない。自分の若い頃を思い出して、根気強く、長い目で見てあげることもまた、社会人の先輩としての必須項目なのかもしれない。


 取材・文/集英社オンライン編集部