女性用風俗を利用するシニア女性の実態

2017年頃から女性用風俗が急激に増え始めた。女性用風俗店とセラピストの最大手情報サイト『Kaikan』にはお店が306店舗、セラピストが5449人登録されている(2023年12月現在)。ここに登録されていないお店やセラピストもいるだろうから、裾野はさらに広いことが窺える。

以前、筆者は〝大人の女性のラブメディア〟というキャッチコピーを掲げた『JESSIE』というウェブメディアの編集長をしていたことがある。

このメディアが立ち上がったのは2013年11月なのだが、レズデリヘルや出張ホストの体験記やセックスレスの記事をアップすると非常にアクセスが良く、まさに跳ねるという言葉がぴったりで、あっという間にランキングの1位になり、人気のある記事だと2〜3か月ずっとランキング上位にその記事が入っていたこともあった。

自らの性生活について悩む女性が、女性でも利用できる風俗のようなものを求め、その情報を欲しているのだなと肌で感じたものだった。

70代女性も。高齢者利用が急増! 女性用風俗を利用するシニア世代の驚きの実態…女性もお金を払ってスッキリ遊ぶ時代に_1
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女性用風俗や出張ホストは2017年以前にもあったが、今のようにしっかりとお店を構えて、様々な人が使いやすいというものではなかった。利用者は、性的にかなり解放された女性と、悩みを持つと同時に自由になるお金がある程度ある中年女性という、限られた人が利用するものだった。

しかし近年、若くてイケメンのセラピストが増えたことで20〜30代の利用者や働く女性もユーザーとなり、パイ自体が増えているというのが女性用風俗が急増した要因だ。

ところで、高齢女性の利用状況はどのようになっているのだろうか。大阪にある女性用風俗「LADIES FIRST」のスタッフはこう述べる。
 

「70代が最年長。メイン層は40〜50代でここがほぼ占めています。60代以上は割合としては少ないのですが、これはネットが使えないためにアクセスできない方が多いことが理由になっていて、潜在的な需要はあると思います。ネット以外のところでつながるために、新聞のような紙媒体への広告を考えています」

これまで利用した高齢女性たちはそれぞれタイプが異なり、利用に至った経緯も違うストーリーがあったそうなのだ。同店の料金は、デートコースが60分6000円、マッサージオンリーコースが120分1万円、心身デトックスコースが120分1万5000円だ。ステイパック12時間5万円などというロングコースもある。

「単純に性欲を発散したいというタイプの方もいれば、女性として扱われたいタイプ、男性と話をしたいタイプ……という3パターンが多いですね。共通するのが、『自分がこういうお店を利用することについて、間違ってないですよね?』と確認したい思いを抱えていることです。一人ひとり話を深く聞いていくと、配偶者とのセックスで痛みを感じていたり、身勝手な夫の『若くて可愛い子なら性欲も湧くし、勃つけれど、妻とは無理』というような態度に傷ついていた方もいました」(同店スタッフ)
 

更年期以降の女性では、性器が乾燥しがちになったり、膣壁が薄くなったりして、痛みを感じやすくなる人もいる。そういった部分で悩む人もいるだろう。

「濡れる、濡れないといった部分は感情の問題も大きいので、いかに感情を動かせるかにかかっていますね。普段のセックスでは準備が充分に整わないうちに挿れられてしまうということもあるのかもしれませんが、女性用風俗では様々な方法で外からアプローチすることができるので、性器周りの健康も改善できると思っています。でも、肝心の女性自身が、性的な体の悩みも改善できる場所だと思っていないので、もう少し周知が必要かもしれませんね」(同)