頼れる先輩、サンドウィッチマン

――殴りながら「暴力反対!」と言っているような意見ですね……。

また、「しんいちのことをおもしろいとか、認めてしまうと負けた気がする」というコメントには妙に納得させられました。コンプライアンスが厳しい時代ですが、賞レースで結果を残しても“認められない負けキャラ”という独特な立ち位置だからこそ、落とし穴に落とされても顔面に泥をぶっかけられてもクレーム1つ起きないのかもしれません(笑)。

――そもそも論なのですが、「好感度はいらない」と考えていますか?

めちゃくちゃほしいです! ただ、好感度を意識しながら活動することと、好感度を無視して今まで通りボケを見せていくことを天秤にかけた結果、僕は後者をとりました。

――好感度を維持することはとてもしんどいと思います。

そうですね。事務所の大先輩、サンドウィッチマンさんと共演させていただくことが多いのですが、えげつない好感度を持っているため、結構がんじがらめになっているように見えます。「言いたいことを1割も言えてへんのかな」っていう。

――好感度が足かせになって自由に動けていないと。

ただ、サンドさんも舞台上ではかなり伸び伸びやっている印象です。もし「好感度とか気にせずにやりたいことやっていいよ」と言われたら、手が付けられないくらい面白いと思います。

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――サンドウィッチマンさんの背中から学べることは多そうですね。

芸能界は今日言っても問題なかった言葉が次の日にはNGになっていることが日常茶飯事。ルールブックが目まぐるしく変わり、そのルールブックの中でボケないといけません。常にアップデートしなければしていかなければいけないため、その辺りはサンドさんにいろいろ相談させてもらっています。

――頼れる先輩が近くにいるのは心強い。

サンドさんもそうですが、爆笑問題さんに相談させていただいたときは「テレビの前ではこんなに明るいのに、裏ではこんな風に考えているのか」と勉強になりました。僕なんてテレビに出るようになって2年程度なので、長くテレビに出続けている人の考え方に触れると驚かされることの連続です。

――とはいえ、“芸人”なのに品行方正を求められることにはストレスが溜まるのでは?

楽屋に1時間前から入って芸人仲間と「この前共演したタレントに腹立ったわ」みたいなことを言い合ってストレス解消しているので、僕はわりかし健康でいられています。