コレもダメだろうなあと思って送った『日々ロック』
――ご結婚も24歳のときと、わりと早めですよね。
そうですね。まあいい人だったんでいいかなと思って結婚しました(笑)。もうちょっと遊んでおけばよかったなあと思っていたころもありますけど、子どもいて幸せです。樹木希林さんが言っていたんですよ。「結婚なんて、若くて判断力がないときじゃないとできない」って。
幸せとか安らぎとかいい面はぼやっとしてて、悪いところははっきりしてるから結婚て悪く映りがちなんですよね。年齢を重ねると悪いところばかり見えて、決断できなくなっちゃう。なので、早めに結婚するのはおすすめです。
――話は大学生時代のころに戻ります。18歳、19歳と立て続けにヤングジャンプで賞を獲得し、順調な漫画家人生かと思うのですが、当時ご自分ではどう思っていましたか?
本気で"遅い”と思っていました。高校生でプロになって、映画化も果たしてというのが目標だったので。あと、千葉くんの事件で死が身近になっていたこともあって、焦りもありましたね。そんな中、野球とか、木の精霊とか、ロボットとか、いろいろなテーマで連載に向けたネームを描いたんですけど、どれもおもしろくなかったです。多分、連載したいがために漫画を描いていたからダメだったんだと思います。
――初連載作となる『日々ロック』はどのように生まれたのでしょうか。
音楽は好きだったんですが、それを漫画にする気は全然ありませんでした。音楽と漫画の相性って悪いと聞いていましたし、それは僕も思っていたので。でもネタ切れで困り、捻り出すように描いたのが『日々ロック』の読切版です。日々沼なんて、5分でできたキャラクターですよ。コレもダメだろうなあと思ったけど、一応担当の編集者に送ったら、まさかの反応がいいという。読切として載って、その後3話分の連載用のネームも描くことになりました。
――ということは、読切の評判がよかったんですね。
よくなかったと思います。いや、よくないって言われました(笑)。女の子はかわいくないし、ギターもパンみたいだし(笑)。