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鬱になっていった同僚たち

ブラックな環境だったので、メンタルを病んでいく同僚たちが後を絶ちませんでした。

デザイナーを志す人はセンスがある人が多く、その反面繊細で環境の変化にも弱く、相手からの言動を気にする人も多いです。それだけ周囲がよく見えているのでデザイナーとしての適性がある人ばかりでした。

しかし、繊細なデザイナーが広告業界で働くことはとても大変です。広告業界には平気で暴言を吐く昭和を引きずった大人たちがいます。彼らの言葉はデザイナーの心を最も簡単に破壊します。さらに、無限につづく修正地獄もデザイナーの精神を蝕んでいきます。

こうして何人もの同僚たちがメンタルをやられて退職へと追いやられていきました。

不眠症を発症し、毎日遅刻しつづけ試用期間でクビになった人。
ストレス性の蕁麻疹と喘息が発生して働けなくなった人。
上司からの過剰なパワハラによって対人恐怖症となり電話にも出ることができなくなった人。
理不尽な罵声を浴びせられつづけ躁鬱を発症し、通勤しようとすると急激な頭痛により出社できなくなった後輩。

上司の無意味とも取れる修正指示に納得できず、イライラが抑えきれなくなり、事務所のガラスを割って逃亡した後輩など、多くの精神疾患の患者たちをそばで見てきました。

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しかし、見ているだけで何も助けになることはできなかったです。
壊れていく姿を見て、明日は我が身だと思い、自分の身の安全を考えることで精一杯でした。
こうやって働いている間にも同僚たちの精神は蝕まれ続けています。