パワハラ類型について
職場におけるパワハラは三要素を満たし、六類型のいずれかに該当するものをいいます。厚生労働省では三要素を次のように定義しています。
「優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われ、業務の適正な範囲を超えて行われるものであり、身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害すること。」
これを分解するとこの表になります。
三要素では特にIIが問題になります。例えば、遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ、再三注意しても改善されない労働者に対して一定程度強く注意することや、その企業の業務内容や性質に照らして重大な問題行動を行った労働者に対して、一定程度強く注意することはパワハラに該当しないとされています。
ハラスメント行為は複数の類型を伴うこともあります。例えば、厳しすぎる営業ノルマを課し、全社員の前で未達状況を罵倒する(②+④)、歓迎会で飲酒を強要し、断った社員には仕事を与えない(①+⑤+⑥)です。
パワハラは時間の経過とともに状況が悪化します。「パワハラかも?」と思ったら、一人で悩まずに信頼できる上司や先輩、社内窓口に相談しましょう。