♯1 世界経済崩壊間近! 敏腕トレーダーが指摘する1928年世界恐慌直前と2023年、酷似する2つの「NYダウチャート」
♯2 シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行、クレディスイス…続々破綻の背景にアメリカの“中国潰し”?
♯3 2024年「米国バブル崩壊」で進む世界金融大再編。ついに世界の中央銀行による「デジタル通貨」創設で暗号資産は淘汰される⁉

強い相場は懐疑のなかで育つ

2025年、世界経済崩壊で株相場は10分の1まで下落⁉ 生き残るために持っておくべき「資産」とは?_1
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――1929年に始まった大恐慌の際、米国では約1万の銀行が破綻したという記録が残っています。今回もそのくらいの被害が出る可能性はあるのでしょうか?

岩永憲治(以下同)あります。というのも、本来ならばオバマ政権下で起きたリーマン・ショックのときに潰さなければならなかった銀行が生き残っているからです。おそらく1000行程度はあるはずです。それをゾンビ銀行にしたまま、結局、FRBはマネーをばら撒き、利下げを行って、今日まで生きながらえさせてきた。

2025年の恐慌時には、NYダウはピークの4万ドル近辺から4000ドルまで暴落すると見ています。そのときに初めて、潰れるべき銀行が軒並み潰れる。クレディスイスにしたって、これまではあまりにも図体が大きすぎて潰せなかった。だからスイス中央銀行が慌てて処置を講じて、UBSに引き取らせたわけです。

各国の中央銀行は過剰な銀行数を淘汰し、再編したかったのですが、なかなかきっかけが掴めなかった。2025年から本格化する米国発の大恐慌はその絶好の機会であるとも言えます。

――米国経済の現状と、今年から来年に向けて経済指標はどのように変化していくと思われますか?

「強い相場は懐疑のなかで育つ」。これは著名投資家ジョン・テンプルトン卿(1912~2008年)の言葉で、全文は「強気相場は悲観のなかで生まれ、懐疑のなかで育ち、楽観のなかで成熟し、陶酔のなかで消えていく」というものです。現状はリセッション(景気後退)がいつやってくるのか、そしてどの銀行が次に潰れるかもわからない。でも、NYダウは堅調で、じわじわと上昇中。まさしくいまの時点が「懐疑」の段階なのです。

それが今年の第3四半期にはNYダウはぐっと上昇速度を上げにかかってきます。24年を迎えると、高金利下でゾンビ企業が次々と潰れていくなか、FRBの狙い通り、重厚長大銘柄がほぼ全面高という状態を迎えます。残った銘柄についてはどれを買っても上がるようになっているはずです。そのときには米国株が落ちるなどとは誰も考えない環境になっており、マーケットは「今回だけは違う。今回はバブルではない」と大声で主張するのでしょう。

ただし、NYダウのバブルが破裂する目安は3万5000ドル以上、S&P500は4500以上、一蓮托生となる日経平均は3万円以上。これを超えたら、いわゆる“毒饅頭ゾーン”なのですが、皆、たらふく食べてしまうのが”相場”の恐ろしいところでしょう。