スピルバーグの何がスゴいのか!?

総興収は約1兆3500億円! アカデミー賞ノミネートは22回! 数字で見る、世界No.1ヒットメーカー、スピルバーグ監督のスゴすぎる伝説_1
『フェイブルマンズ』撮影風景
Capital Pictures/amanaimages
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希代のヒットメーカーにしてハリウッドを代表する名匠スティーヴン・スピルバーグ。その名は映画ファンに限らず広く知れわたっているが、我々はスピルバーグを本当に、知っているのだろうか? 

多くのメガヒット映画を放ってきた大物であることはわかっていても、どれだけのことをしてきて、どこがどうすごいのかは、漠然としがちだ。自伝的な作品『フェイブルマンズ』(2022)の公開に合わせ、現在76歳の彼のスゴさを、改めて数字で振り返ってみよう。

初めてオリジナル映画を製作したのは12歳

1969年にテレビシリーズ『四次元への招待』(1969〜1971)の1編を監督したのが、スピルバーグの“プロ”としての初演出体験。このときはまだ23歳で、ハリウッドを拠点とする監督としては、かなり若いデビューだった。これを成しえたのは、ひとえにスピルバーグが子供のころから映画を製作していたことが影響している。

5歳のときに映画館で見た『地上最大のショウ』(1952)で映画にのめり込み、12歳のときに父の8ミリカメラを駆使して、初めてのオリジナル映画を製作。その後も友人や妹たちを役者にして西部劇や戦争映画を作り、独学で映画作りを学んでいった。

さらに、それが高じてハイティーンの頃から、ユニバーサルのスタジオに出入りしていたという。このあたりのエピソードは『フェイブルマンズ』でも描かれているので、ぜひチェックを。そういう意味では、映画製作人生は64年とも言える。
人生のほぼ全ての時間を映画に費やしている、大ベテランである。

54年間のキャリアで監督した作品は34本(+2)

総興収は約1兆3500億円! アカデミー賞ノミネートは22回! 数字で見る、世界No.1ヒットメーカー、スピルバーグ監督のスゴすぎる伝説_2
『続・激突/カージャック』演出時のスピルバーグ監督(左)と、主演のゴールディ・ホーン
Everett Collection/アフロ

1974年に劇場用映画『続・激突/カージャック』(1974)を世に送り出して以来、ここまで監督として放った映画は34本。ただし、1972年にTV用作品として製作され、日本を含むアメリカ以外の国で劇場公開された『激突!』(1971)を映画監督デビュー作とカウントするケースもある。

そして、スピルバーグがプロデュースした1985年のTVシリーズ『世にも不思議なアメージング・ストーリー』はスピルバーグ監督作を含む3話が再編集され、日本では劇場公開もされたので、これを含めると36本。

54年のプロキャリアで、この本数は現在のハリウッドでは多作の部類に入る。ちなみに、映画監督としての印象が強いスピルバーグだが、TVシリーズの監督作には先述の『世にも不思議なアメージング・ストーリー』(1986)のほかに、『刑事コロンボ』シリーズの1編『構想の死角』(1971)がある。