実際に店舗へ行って在庫を検証
果たして本当に転売ヤーは『水星の魔女』で儲けが出ていないのか。実際に確かめてみると……。
まずはネットの某販売サイト。そこに出品されている『水星の魔女』ガンプラ(定価1500円)の提示価格は2500円程度だった。その差益は1000円だが、ここから手数料と梱包・配送料を差し引くと、確かに転売ヤーの利益はほとんどないと言っていいだろう。
次に、バンダイが出荷数や再販頻度を増やしているのなら、店頭に商品があるはず、ということで、首都圏の大型ショッピングモールにあるホビーショップを訪れてみた。
すると、ここ1~2年、品切れが続いていた新作ガンプラだが、『水星の魔女』関連の商品は大量に陳列されている。
店員にガンプラの入荷状況を聞いてみた。
「『水星の魔女』シリーズはどのキャラのガンプラも普段よりずっと多く入荷しています。おかげで品切れもなく、常連さんはもちろん、初めてロボットアニメにはまったという方やガンプラに興味を持ち始めた子どもさんなど、幅広い層のお客様に買っていただいています。
ウチだけでなく、近隣のオモチャ量販店にも大量の『水星の魔女』ガンプラが並んでいますよ。転売ヤー? 新シリーズの発売当初には購入の列に並んでいましたけど、今はもう見ないですね。これだけ在庫がちゃんとあれば、転売しても高い値段はつかないでしょうから」
最後にバンダイに出荷数や再販の実績を聞いてみた。
「ガンプラの出荷数については非公表となっています。また、過去シリーズとの売上比較などもコメントも遠慮させてください。ただ、ガンプラの生産体制の強化については、取り組みを続けていることだけはお伝えできると思います」(BANDAI SPIRITS広報チーム)
生産体制の強化が出荷数や再販頻度の増加を意味することは言うまでもない。
『水星の魔女』ガンプラをめぐる、転売ヤーVSバンダイのバトルはメーカーの勝利に終わったようだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班